文化・学術分野の協力

ポーランドと日本は、古くから歴史的、文化的絆で結ばれ、特に文化方面においては豊かな遺産を後世に引き継いできています。この分野での両国の関係は伝統的に非常に活発です。クラシック音楽のコンサート、演劇、映画、展覧会などを始めとする文化イベントを訪れる人の数を見れば、この分野における双方向の交流がいかに盛んであるかを知ることができます。
ポーランドと日本の文化研究は絶えず進展しており、その成果は多数の出版物、学術会議やシンポジウムなどで発表されています。とりわけ重要なことは、歴史の記憶や証を保護し、それらを適切に保存していくことです。文化を管轄する省庁どうしの交流はそれほど頻繁ではありません。2019年、ポーランドのヴィトルド・バンカスポーツ観光大臣が日本を訪問し、柴山昌彦文部科学技術大臣と会談しました。訪問中に、ポーランドスポーツ観光省と日本文部科学省の間で協力の覚書が締結されました。
ポーランドでは日本大使館の広報文化センターが積極的に活動しており、日本では東京のポーランド広報文化センターが機能しています。両機関は、文化交流の幅を大胆に発展させる可能性を秘めています。ポーランド広報文化センターは、2011年に設立され、ポーランドの歴史、文化、社会生活、両国の友好についての広報活動を行なっています。アダム・ミツキエヴィッチ研究所、ポーランド映画芸術研究所、フレデリック・ショパン国立研究所、東京のEU代表部、EUNIC(欧州連合加盟国の文化機関)、日本のパートナーなどと協力しています。
近年の主催文化行事として、ポーランドの独立回復100周年記念、ポーランドと日本の外交関係樹立100周年の記念式典(2019年)などが挙げられます。歴史的に重要な功績を果たした人物の記憶が大切に育まれています。例えば、マクシミリアン・コルベやゼノン・ジェブロフスキなど日本で活動したポーランド人宣教師、アイヌ文化の研究者であるブロニスワフ・ピウスツキ、日本人によって救出されたシベリアのポーランドの孤児、日露戦争で日本に収容されたポーランド人捕虜、ヨハネ・パウロ2世の功績、第二次世界大戦とホロコーストの歴史などです。
二カ国の文化友好的の象徴は、クラクフにある「日本美術・技術博物館Manggha」です。これは日本で最も人気のあるポーランド映画監督の一人であるアンジェイ・ワイダの提案で設立され、1994年にレフ・ヴァウェンサ大統領と高円宮親王の臨席のもと開館式が行われました。2002年、天皇皇后のポーランド訪問に際し、当博物館を訪問されました。毎年この「Manghha」博物館では、ポーランドと日本の交流振興を目指す様々な展覧会や文化イベントが開催されています。
非常に興味深いイニシアチブは、2005年から活動している「ポーランドフォーラム」です。これは、関口時正教授と田口雅弘教授により、日本のスラブ学者、歴史学者、経済学者、アーティスト、また在日ポーランド人コミュニティの交流の場として設立されました。毎年ポーランドに関するさまざまなテーマに焦点を当てた全国会議が開催されています。「ポーランドフォーラム」の活動は、日本でのポーランドに対する理解を深め、また同国に関心をもつ人々のコミュニティを統合するのに貢献しています。

音楽

日本ではフレデリック・ショパンの音楽が愛されています。特に、ワルシャワで開催されるショパン国際ピアノコンクールは、ショパン音楽とその人物像へ日本人がいかに傾倒しているかを物語っています。毎回コンクルールには、多くの優れた日本人ピアニストが参加しています。直近の第18回コンクールでは、日本人ピアニスト2名が入賞しました(反田恭平(2位)と小林亜美(4位))。また、過去のコンクールで優勝した唯一のポーランド人ピアニストである、クリスティアン・ツィメルマンとラファウ・ブレハッチは頻繁に日本での演奏を行っています。さらに、ショパン国際ピリオド楽器コンクール(古楽器演奏のコンクール)のピアノ部門も大変人気を集めています。
クラシック音楽の分野では、カロル・シマノフスキやスタニスワフ・モニューシュコの作品も高く評価されています。また、2004年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したクシシュトフ・ペンデレツキの作品も大変な関心を集めています。さらに、2017年に亡くなった著名なピアニスト中村紘子の尽力により、イグナツィ・ヤン・パデレフスキ協会が設立されました。ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、カトヴィツェのポーランド国立放送交響楽団、舞踏団「シロンスク」などが来日ツアーに訪れ、またポーランドジャズのプロモーションイベントも開催されています。

映画

「ポーランド派映画」やアンジェイ・ワイダ、クシシュトフ・キェシロフスキ、イェジ・スコリモフスキ、パヴェウ・パヴリコフスキといったポーランドの映画監督の作品は日本の映画ファンを常に魅了してきました。ポーランド映画祭、ヨーロッパ映画祭(EUフィルムデイズ)、およびヴィシェグラード・グループ(V4)との協力による子供向けアニメーション映画祭「V4キッズ映画祭」などが日本で開催され、ポーランド映画のプロモーションが行われています。また、日本各地でポーランド映画の上映会も開催されています。

演劇

日本ではタデウシュ・カントルや演劇改革者イェジ・グロトフスキの作品が知られていますが、日本でのポーランドのアーティストによる演劇はそれ程頻繁に開催されません。2019年には「DZIADY祖霊祭」という創造演劇が日本で初演されました。これは、イェジ・グロトフスキ研究所とシアターカイの共同プロジェクトです。近年では、クリスティアン・ルパやグジェゴシュ・ヤジナといった演出家が自身の公演を日本で行い、またヴィエシェリン劇場も公演を行いました。

文学

日本でもっとも知られているポーランドの作家は、ミツキェヴィッチ、シェンキェヴィッチ、ゴンブローヴィッチ、レムです。また、ノーベル文学賞受賞者であるチェスワフ・ミウォシュ、ヴィスワバ・シンボルスカ、オルガ・トカルチュクも知られています。また、数々のポーランド児童文学作品も日本語に翻訳されています。ポーランド文学者である関口時正名誉教授は「ポーランド文学古典叢書」という大規模なシリーズを刊行し、ポーランドの古典文学を体系的に紹介しています。このシリーズは、文学、歴史、音楽、美術(絵画と彫刻)の四つの分野を網羅しています。ポーランド文学は、ヨーロッパ文学祭や東京で開催される「ヨーロッパ言語の日」などのイベントでも紹介されています。

展示会

近年、以下の展示会が開催されました。

「ショパンー200年の肖像」 日ポの外交関係樹立100周年を記念した最大のプロジェクトであり、神戸新聞社とフレデリック・ショパン国立研究所の協賛で日本の4か所(兵庫、福岡、東京、静岡)で開催されました。

「セレブレーションー日本ポーランド現代美術展」 京都の二条城で開催されたポーランドと日本の現代アーティストの合同展覧会。

「第二次世界大戦博物館展 Poland: First to Fight」 第二次世界大戦勃発80周年を記念してグダンスクの第二次世界大戦博物館のパネル展。

「タデウシュ・ロメル駐日ポーランド共和国大使と極東のユダヤ人戦争ひ難民」 日ポ外交関係樹立100周年を記念してヴィリニュスのポーランド広報文化センターが企画した展示。

「ワルシャワ。灰の中から蘇る不死鳥展」 ワルシャワ蜂起博物館とピースおおさか大阪国際平和センター共同主催の展覧会。

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